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written by pottergirl786
translated by blue

ハリーは重い足をひきずりながら螺旋階段を昇っていた。手の擦り傷は湧き出した疑問の答えを突き止めようとさっき全速力でここを駆け下りた時壁にぶつけて出来たものだ。

ほとんど首なしニックの話は何の役にも立たなかった。
ルーナ・ラブグッドと話した時は気持ちが少し軽くなったが、今また誰もいない寮へ戻って来ると静寂が津波のように押し寄せて来た。シリウスが死んでから、ダンブルドアのあの告白から、ずっとハリーを苦しめている重圧がまた胃を締め付けた。
まるでタンカーの錨にでも押しつぶされるように感じながら天蓋つきベッドに腰掛け、まだ詰めかけのトランクをぼんやりと眺めていた。

ホグワーツを離れたくない。。。

これから何週間もダーズリー家で孤独と絶望に向き合うのは耐えられない。
シリウスの夢を見ても誰も慰めてはくれない。。。悲しみをわかちあう人もいない。。。
9と3/4番線を抜けても待ってくれている人は誰もいないのだ。

この夏をどう過ごせばいいんだろうかと空しい気持ちで一杯になった。

ハリーは床に広げたトランクの脇に滑り落ちると、赤いクィディッチローブの下に手を伸ばしハグリッドが1年生の終わりにくれた皮のアルバムを抜き出した。丸めて放り込んだ衣類や適当に投げ入れた本の隙間でシリウスのクリスマスプレゼントだった鏡の欠片がキラリと輝いたが、ハリーは見て見ぬふりをした。

再びベッドに腰をおろすと丁寧に両親の結婚式のページを開いた。
いつもと変わらずそこにはハリーの父ジェームス・ポッターをひじで突いて冷やかしているシリウスがいた。親友の大切な日だというのに、いつも思い出すあのいたずらな笑顔で。
ハリーの母はシリウスなどまるで目に入らぬ様子でジェームスだけを見つめている。ジェームスも時々振り向いて親友に笑顔をみせるが、その視線はすぐさま傍らの美しい花嫁に戻るのだ。

これはたった一枚のシリウスの写真でもあるが、その事以上にハリーにとって大切なものだった。

この貴重なアルバムがあってよかった。

幸せそうに笑う両親とそれをからかうシリウス。すぐそこに迫っている悲劇を知らず至福の時を過ごしている彼らはもういない。悪の謀の前に彼らの命は意味無きもののようにかき消されてしまった。

何千何万のうちのたった3つの命がどうしたと言えるかもしれない。。。彼らが死のうが生きようが他の人にとってどれほどのものかと。。。

ただハリーにとっては、どれ程大切なものだったか、どれ程重要なことだったか。。。

だからこそ、シリウスに思いを馳せた時、心の扉を固く閉ざし自分が犯した過ちを拒絶するしかないのだ。
両親? 両親のことでも自分を責めるのだ・・・まだほんの赤ん坊で何も分からなかったときのことを。

ダンブルドアの話やばかげた予言のことは考えたくもなかった。
ヴォルデモートがなぜ先にハリーを襲ったのか・・・
そのせいで、殺すか殺されるかの運命を背負ってしまったこと。

考えられない・・・いや、考えたくないのだ。

・・・シリウス・・・ハリーにとって初めて兄か父親のように慕った人。

今はもういない。

去年ムーディーに見せられた古ぼけた写真に写っていた人達と同じだ。。。この世から消えてしまった。以前の騎士団メンバーの一人であるシリウスも自分の悲惨な運命など知らず不気味なほど満面に笑みをたたえていた。



打ちひしがれたハリーはアルバムを放り投げ腕の中に顔を埋めた。悲しみばかりの想い出にはもう耐えられなかった。




***




大広間では、ハーマイオニーがいつまでたっても学年末の晩餐に現れないハリーのことに心配を募らせていた。金色に輝く皿に山盛りのデザートが現れるとハーマイオニーは特大プディングと格闘中のロンとルーナ(驚いたことに彼女はグリフィンドールのテーブルに来て座っていた)を残して席を立った。
空腹なわけではないのに、胃が締め付けられるような落ち着かない気分がまだ続いている。ハーマイオニーはやっとその理由に気づいた。

・・・ハリーのせいだ・・・

「ほっとけよ!」というロンを押し切ってグリフィンドール寮へまっすぐ戻った。



「あなたったら!!晩餐の一番美味しいとこを逃すなんて!」と言う太った夫人の声を聞きながら肖像画を抜けると談話室は予想どおりからっぽだった。しんとした部屋にはパチパチと暖炉の薪がはぜる音だけが響いていた。

いつもならここはふかふかのソファやその暖かな雰囲気でハーマイオニーをリラックスさせるのだが、今夜のような静寂は身体の芯から冷え冷えとさせる。ハーマイオニーは寒さに身震いしながら部屋を横切り左側の階段を上っていった。

男子寮へ続く石の階段を上る前に一瞬立ち止まった。ホグワーツの創始者達が女生徒は信頼できるとして男子寮へたやすく行けるようにしたことには反発があった。男子生徒が女子寮に遊びに来れないのは古い考えではないのか。だが今この状況で、古い規則が自分の邪魔をしないことに感謝した。






やっぱりここにいたんだ・・・と、そっと5年生の寮のドアをくぐったハーマイオニーの目に入ったのは、両腕で頭を膝に押しつけるように抱え込みベッドにうずくまるハリーの姿だった。低く垂れた彼の顔は見えなかったが、丸まった背中から叫び声があがっていた。
ハリーが全身から発している哀しみに息がつまった。



・・・やっぱり来てよかった。



「・・・ハリー・・」



ささやくような小声だったが、ハリーはハッと顔を上げた。苦悩に満ちたその瞳にハーマイオニーは思わず目をそらした。胸につかえていた物が喉までこみ上げてきた。

「何しにきたの?」

張りつめた声からハリーが彼女を歓迎していないことはすぐにわかった。

「大丈夫かなと思って・・・様子を見にきたのよ」

だが自分の言葉の空しさに戸惑った。明らかにハリーの様子はそれどころではない。
磨き上げられた床からハリーへ視線を戻すと眼鏡の奥の翠の瞳は輝きを失ない澱んでいた。

「ここは君がいるとこじゃないだろ」

抑揚の無いハリーの言葉を、勝手に部屋へ入ってきたから怒ってるんだと自分に言い聞かせて話続けた。

「夕食会には飽きちゃったの。みんな心にもないことばかり言うのよ。ラベンダーとパーバティが夏休みに私に会えなくて寂しいですって!?信じられないわ。」

ハーマイオニーはどうしたいのかわからないままベッドにいる彼の隣に腰掛けた。
ハリーは彼女のために少しだけ体をずらし、ぽつりとつぶやいた。



「僕は・・・君に会えないと寂しいよ・・・」



彼女は微かに口元をほころばせうなずいた。



「ええ・・・」



「私も」などと言わなくてもいい。誰よりも彼を恋しく思うのはハーマイオニーだとハリーは知っているから。
膝に置かれたハリーの手をハーマイオニーの指がなぞった。彼女の指先は滑らかで温かかく、軽くとんとんとハリーの手を叩いて指をひっこめた。



「ロンにはすぐ行くって言ったでしょう?何してたの?」

ハリーはハーマイオニーが触れたところを反対の手でなぞりながら面倒臭そうに答えた。

「荷造り・・・」

目の前に開きっぱなしのごちゃごちゃのトランクを見なくても言い訳だとわかる。
一人にして欲しいとハリーが思っているのは分かっていたが、シリウスの死は自分のせいだと頑なに自分を責め続けるハリーを放ってはおけなかった。
ハーマイオニーは黙っていた。せめて、その嘘が本当で現実が誤りであるとハリーが思えるように。




ハーマイオニーはふっとベッドの足下に開きっぱなしになっているものに気が付いた。
ハリーの視線もまた彼女の後を追った。

「見てもいいかしら?」

ハリーは力無く肩をすくめた。

「お好きなように」

長方形のそのアルバムはハリーの両親の結婚式のページが開かれていた。どの写真も幸せ一杯のカップルがハーマイオニーに向かって手を振り、笑顔を振りまいていた。そしてそこに笑顔の若き日のシリウスの姿を認めた時、どうしようもない寂しさに襲われた。

ハグリッドからアルバムをプレゼントされたことは知っていたが中の写真を見たことはなかった。ハリーは見せてくれたことはなかったし、ハーマイオニーも見せて欲しいと言ったことがなかった。

シリウスの笑い顔から目をそらしページをめくった。
たくさんのハリーの両親の写真と、まだ額に稲妻の傷跡がない赤ん坊のハリーの写真もいくつかあった。ハーマイオニーはまた胃が締め付けられるように感じながらページをめくっていった。
後ろのほうには最近のハリーとロン、ハーマイオニーの写真があった。
ハリーを間にはさんでカメラに向かって笑っている。ロンは時折からかうようにハリーを肘で突つき、ハーマイオニーはというと、ハリーの腕に手を添え何度も彼の顔をのぞき込んでいる。そのたびにハリーは笑顔で応えていた。


ハーマイオニーは指でそっと写真のハリーをなぞった。とても幸せそうなハリー・・・


ふぅっと息を吐いてアルバムを閉じると、現実のハリーの視線に気が付いた。



ハーマイオニーはトランクの横へすべり降りるとアルバムをクィディッチローブの下に丁寧にしまった。杖を取り出し呪文を唱えると洋服はきちんと折り畳まれて積み重なり本は片隅に並べられた。全てがきちんと整理されると、ハーマイオニーはトランクの底で何か光る物に気が付いた。近づいて見ようとするとハリーは突然彼女の手を引っぱった。

「後は自分でやれるから」

急いでそう言うとハーマイオニーを自分のほうへ引き戻した。








「ダンブルドアは何か話した?」

「それが・・・何も。。。」

ハーマイオニーは杖をポケットにしまうとベッドに座り直した。今度はベッドの柱によりかかりハリーと向き合った。

「あなたとヴォ、ヴォルデモートの話をするんじゃないかと思ってたんだけど・・・」

ヴォルデモートの名を口にすることに少しは慣れて来たが完全に恐怖心を克服したわけではなかった。ハリーは彼と4回対決したのに、いつもその場に居合わせていなかったことをハーマイオニーは痛感していた。知らないからこそ恐ろしさを感じるのだと。

「・・・何も言わなかったって?!」

ハーマイオニーは頷いた。

「ええ、何も・・・」




ハリーは怒りと安堵が入り交じった表情を浮かべた。立ち上がってハーマイオニーの前を行ったり来たりした後、窓際に近づいて外を眺めた。

蒼い月に照らされたハリーの瞳にはハーマイオニーには想像もつかない想いが浮かんでいた。



無謀にも魔法省へ乗り込んだあの後、ダンブルドアとハリーの間で何があったのかほとんど知らなかった。

彼女は意識不明だったし、ハリーはヴォルデモートから逃れた後どうやって校長室へ戻ったか以外にはほとんど何も話してくれない。ベラトリクスを追い掛けたこと、ダンブルドアがやってきてヴォルデモートと対決したこと、ヴォルデモートに体を乗っ取られたこと、などを簡単に説明しただけだった。それも、現実に体験した恐怖感などみじんもない、つまらないクィディッチのワンシーンを説明するかのように無表情にかいつまんでしか話しただけだった。
ホグワーツに戻ってからダンブルドアとハリーの間に起きたことをハーマイオニーは知るすべもなかった。
また、あえて聞こうともしなかった。
だが焦点も定まらない様子で窓の外を眺めるハリーの苦悶の表情を目の当たりにして、やはり彼に聞くべきだとハーマイオニーは決心した。



「そろそろダンブルドアの話をしてくれてもいいんじゃない?」



聞こえたのかしらと思っていたが、しばらくして振り向いたハリーが悩んだようにしきりに頭を上げ下げするので聞こてはいたんだとわかった。ハリーは黙って腕組みをしいたが、ようやくベッドへ戻って彼女の隣に腰を落とした。まだ不機嫌そうに頭を振っている。


ハーマイオニーはじっと彼が何か言うのを待っていた。だがハリーはずっと黙っている。






やっと顔をあげたハリーの慟哭にゆがんだ顔を見て、ハーマイオニーは涙がこみ上げてきた。ハリーから溢れ出す苦しみと絶望・・・自分の大切な人がこれほど辛い思いをしているのを見たことがなかった。




何も言わずにハーマイオニーが両腕を広げると、驚いたことにハリーはそこへ倒れ込んで来た。彼女の腕の中で肩を震わせた。

打ちひしがれ、悲しみに引き裂かれた魂を生まれて初めて体感していた。

これまでハリーが泣いている所を見たことは無かった。彼はいつでも強かったから・・。

絶望に身を震わせながら彼女にすり寄ってくる彼の体はがっちりと逞しく、「弱さ」とはほど遠いものだった。(ハーマイオニーが支えきれないほど。)
だからこそ、ハリーのこの姿を悪いこととは思えない。それどころか、彼らしさ、人間らしさを一層表していると思えるのだ。





ハーマイオニーが悲しみを受け止めてあげることが、ハリーの重荷を軽くしているらしいことは不思議だった。
ハリーは彼女へ向かって感情を解き放ち、ハーマイオニーがそれを吸い取ることで、体の重みさえまるで軽くなったように感じるのだ。
ハリーが両腕を彼女に回すと、ハーマイオニーはハリーを元気づけるようにしっかりと抱きしめた。


二つの心臓の鼓動はしだいに一つに響いていった。


ハリーはこういう慰めを知らないのだ。母の胸に包み込まれたこともない−−その記憶がないのだ。そのことがハーマイオニーの胸を突いた。そしてまた、心の痛みを癒す家族とのちょっとした触れあいを知らずに育ったというのにハリーがこれほど愛情深い人間であることに驚いた。


彼はとてもとても愛情深い。


今まではっきり意識したことはなかったが、心の奥底ではよく分かっていた。
『人助け癖』だと指摘したのは彼の向こう見ずな行動を止めさせようとしたからで、決して彼のその性格を非難したのではなかった。それこそハーマイオニーが最も好きな彼の性格の一つなのだから、ハリーがハリーであることの一つなのだから。



友情や信頼を通してハリーとは特別な繋がりを感じていた。

でも今、彼を抱きしめている今、ハーマイオニーの胸にこみ上げる感覚はどう扱ったらいいのか。。。加えて、言葉にしなくても彼の心の奥まで分かるということも彼女の理解を超えていた。ハーマイオニーは理屈で説明がつかないこの感情を怖いと思った。

だが理屈ではない。あるのは真実のみ。

たとえそれがどんなことであろうとも、この気持ちはゆるぎようのないもので、彼女の腕の中にいるのがハリーであるということと同じくらい確かなものだった。




ハリーの体がピクリとしたのに驚いてハーマイオニーは我に返った。ハリーはまだ彼女の胸に頭を埋め両手で抱きしめたままだった。ハーマイオニーはあれこれ考えるのを止めハリーが彼女を頼ってくれていることを単純に悦ぶことにした。
ハリーの重みが蘇ったが、ハリーがハーマイオニーへ吐き出した重圧の重みでもあった。





いつの間にか二人はベッドに倒れ込んでいた。


かなり前からこうしているような記憶はあるが感情の波に打ちひしがれぼんやりとしていた。
ハリーの感情が彼女の中に深く沈み込んできて彼女は喜んでそれに溺れた。そしてその波が静まると激しい疲れが襲ってきた。

ハリーの呼吸はみちがえるほど穏やかになりすすり泣きは止んでいる。
今は彼女にもたれて静かに眠っている。
ハリーがぐっすりと眠っているのを確かめると、片肘をついて体を起こし彼の頭を彼女の肩から枕へと動かした。

やっと彼の顔が見えた。

長く黒いまつげが涙で頬に張り付いている。
ハーマイオニーは涙の乾いた赤い頬に触れようと彼の腰に回していた手を持ち上げ、ふと自分の頬に手を当てると驚いたことにそこは涙で濡れていた。自分も泣いていたことにまったく気づいていなかった。

ハリーのあちこち飛び撥ねている髪の毛がいっそう彼を愛らしくみせた。その隙間からひたいの傷痕が覗いている。
ハーマイオニーはハリーがいつもするように、前髪を軽くなでつけ、顔にあたって痛そうな眼鏡もはずしてあげたがハリーはピクリともしなかった。




ハーマイオニーは体を起こし深呼吸した。

頭の片隅で彼女の頭脳はまもなく他の生徒が戻ってくると告げた(漠然と何故まだ戻ってこないのかとも思った)。これ以上ここに居るのはまずい。。。どのくらい時間がたったのか見当がつかなかったが、誰かが戻ってくるには違いない。



ベッドを降りようとすると、ハリーの手が彼女のローブをしっかりと握り締めていた。


そっとなぞるとその手は緩んだ。




ハーマイオニーは困惑した。



心細げに体を丸め、広いベッドに一人ぼっちになってしまったハリーの姿がハーマイオニーを引き留めた。

こんな様子の親友を置き去りにしてもいいのだろうか。

ハリーのめがねをサイドテーブルに置くと、ためらうことなく自分の靴を脱ぎながらハリーの靴ひもをゆるめた。ローブも脱いで綺麗に畳むと靴と並べてハリーのトランクの中に置きふたをした。置きっぱなしにして誰かに見られるのはまずいだろうと思ったから。それからハリーの靴をそっと抜き取ってベッドの脇へ並べた。



今にもハリーが目を覚まし何をしているのか聞いてくるのではないかと思っていたが、彼女がベッドに戻って彼と向かい合わせになるまで身じろぎひとつしなかった。
彼女が横になるとハリーはどこかしら安心したようにみえた。

これでよかったんだわ。。。



ハーマイオニーはキスとは呼べないほどそっとハリーの唇へ自分の唇を重ねた。



「ハリー、おやすみなさい・・・」

赤いベルベッドのカーテンを閉じると、ハーマイオニーは彼のぬくもりに寄りそった。暗闇でまどろみながらハリーの表情は微笑みをたたえていた。




***




翌朝、何だか不慣れな感覚で目が覚めた。まるで息を留めていたように頭がくらくらするし、温かい空気が頬にあたった。確かめようと手を動かすと、一瞬頬の温かな感触が熱を増し、それから徐々に冷めていった。



ゆっくりと目を開けるといつもと変わらぬ寮の風景だった。昨夜眠りについたのが彼女のベッドではなくハリーのところだったことを思い出すにはしばらくかかった。
なのに彼女は自分のベッドにいる。いつもと同じように深紅とゴールドの上掛けがしっかりと巻き付いていた。ベッド後ろの窓から床へ射し込む柔らかな光りにまだほんの夜明け前だとわかった。



昨夜ハリーを慰めながら彼の腕の中で眠りに落ちたのは夢だったのかしら?
いつも通りの学期末の晩餐のあと、ハリーに合わずに時分の部屋へ戻ったのかしら。。。
でも・・・・違うわ。。。そうじゃない。。。



その時ベッド脇の椅子に何か置かれているものに気が付いた。

綺麗に畳まれた彼女のローブとその上に靴が揃えて置いてあった。そしてやっとハーマイオニーはベッドの中で制服を着たままだと言うことに気が付いた。

一体どうやって部屋へ戻ってきたのか不思議に思っていると、サイドテーブルにハリーの字で彼女の名前が書かれたメモが目に留まった。
ハーマイオニーがそれを手に取り開くと中から何かが落ちてきた。メモにはとても丁寧につづられた言葉があった。



"Thank you "



ほんの一言だったけどそれで充分だった。
それから膝の上に落ちてきた写真を見て微笑んだ。


満足そうな笑顔の三人。。。
その内の二人が見つめ合う時、二人から溢れ出し周りを明るく照らすほどの愛をもう一人の親友は目を丸くして眺めている。
ただただその美しさに驚いて。。。


End

"More Than a Happy Memory"の作者pottergirl786さんの
"Missing Chapter"シリーズの1作です。
ローリングさんは、あれこれの読者の質問に「ページ数が足り無かったから書かなかった」と
回答なさってます。このシーンも省略された1シーンに違いありませんvv
地味目のお話ではありますが、ハリハー派として、絶対に明らかにしておきたかった
「夕食に来ないハリーを心配するハーマイオニー」フィクでございます。

ハリーってば、とっておきの写真は隠しておいたのねんvv

つたない日本語にお付き合い下さってありがとうございましたvv
blue
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